水系洗浄機でアルカリイオン水を使用するメリット
水系洗浄における電解イオン水（アルカリ性電解水、酸性電解水）洗浄の優位性
電解イオン水（アルカリ性電解水）は、加工油に含まれるカルボキシル基と反応し、石鹸成分を生成して、油を溶解し易くします。アルカリ性電解イオン水のヒドロキシルイオンに界面活性効果があり、油汚れを吸着し、そこにスプレーや超音波などの物理的な衝撃を与えることで洗浄対象物から油汚れを剥離します。また、電解イオン水（酸性電解水）は電解質を添加することによってｐＨ２～２．５を生成することができ、適度な酸化力（酸化還元電位・ｐＨ）で酸化被膜の除去を促進します。
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電解イオン水（アルカリ性電解水）洗浄におけるランニングコストの削減効果について
電解イオン水（アルカリ性電解水）を生成するのに必要なものは主に水と電気であり、生成コストは１Ｌあたり約１円となります。尚、他の洗浄液の相場は、例えば炭化水素が２００～５００円／L、アルカリ洗剤は２０円～５０円／Lとなっております。電解イオン水を洗浄液として使用した場合、他の洗浄液と比較してコスト削減率は大きなものになります。洗浄液による装置故障への影響も少なく、メンテナンス、管理費用は従来の薬液洗浄と比較して、大幅に削減が可能です。
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電解イオン水洗浄における防錆効果
当社のアルカリ性電解イオン水は、ｐＨがアルカリ性であるため、錆が発生しにくい水です。電気分解によって陰イオンが酸性電解イオン水側に移動するため、アルカリ性電解イオン水側にに含まれる陰イオンは原水よりも少なくなります。但し、地域によって水質が異なることから、錆びやすい洗浄対象物には電解イオン水と水溶性防錆剤を併用することもございます。当社では金属加工工程間の一時防錆として、電解イオン水専用の水溶性防錆剤を開発し、推奨・販売しております。
電解イオン水の洗浄力と油水分離
アルカリ性電解水は洗浄効果をもった機能水です。スプレーや超音波といった物理的な手法と併用することでワークに付着した油分を乳化分散させることで洗浄することが出来ます。一方、洗浄した後の液には油分が蓄積していきますが、アルカリ性電解水は界面活性剤等を使用していないため水に浮上する油分であれば回収しやすいという特徴もあります。油水分離装置等で浮上した油分を除去することで再利用することが出来ます。
電解イオン水洗浄におけるすすぎ工程の必要性
金属洗浄用途でアルカリ性電解水を使用する場合において、ワークのシミが課題になることがあります。洗浄剤は使用していないため、洗浄剤のシミが出ることはありませんが、水の中にもともと含まれるナトリウムなどの成分がウォーターマークなどのシミになることがあります。外観部品で一切のシミ発生がNGの場合は、アルカリ性電解水で洗浄した後に逆浸透膜装置を通した純水など不純物をほとんど含まない、純度の高い水によるすすぎ工程を設けることを推奨しています。
水を電気分解する基本的な仕組みについて
電解イオン水は、水を電気分解することによって生成されます。水はH2Oと表され、水分子は水素(H)原子と酸素(O)原子から構成されています。電解イオン水を生成する際には、陽極と陰極に通電します。水は電気を通すことによって電気的に分解され、水素イオン（H+）が陽極で、水酸化物イオン（OH-）が陰極で発生し、陽極側からは酸性のｐＨを持った水が、陰極からはアルカリ性を持った水が生成されます。一般的には炭酸カリウムなどの電解質を添加して生成しますが、高橋金属では無添加で生成する技術を有しています。
アルカリ性電解水のSDGsへの貢献
第9のSDGである「産業、イノベーション、基盤」に貢献することができます。アルカリ性電解水を使用することで、従来の洗浄方法よりも効率的かつ環境に優しい方法を採用することができます。これは、生産性の向上や競争力の強化につながる可能性があります。さらに、第12のSDGである「持続可能な消費と生産の確保」にも貢献することができます。アルカリ性電解水を使用することで、より環境に優しい洗浄方法を採用することができ、廃棄物の削減や環境負荷の低減につながる可能性があります。
