排気ダクト

排気ダクトとは、工場や設備、洗浄装置などで発生する空気や蒸気、粉塵、有害ガスを安全に外部へ排出するための通路である。設備内で発生した熱や湿気、臭気、微粒子を効率的に集め、作業環境の快適性や安全性を維持する役割を持つ。ダクトの設計や材質、断面形状により、空気の流れや排気効率、騒音や圧力損失を最適化することが可能である。

排気ダクトは、厨房設備や金属加工、化学薬品を扱う工場など、さまざまな現場で使用される。内部にフィルターやスクリーンを設置することで、粉塵や液滴を捕集し、排気ガスの清浄度を高めることもできる。また、ダクトを通じて排気された空気は、熱回収装置や換気システムと組み合わせることで、エネルギーの再利用や省エネにも寄与する。

適切な排気ダクトの設置は、作業者の健康被害や火災・爆発リスクの防止、装置の寿命延長に直結する。定期的な点検や清掃により、目詰まりや腐食のリスクを低減し、安定した排気性能を維持できるため、安全で効率的な作業環境を確保する上で不可欠な設備要素である。