ハンドバッチ式洗浄機の構成と仕組み
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①ハンドバッチ式洗浄機の構成と仕組み
スプレー洗浄工程や超音波洗浄工程、水切り工程、乾燥工程など複数の工程を繋いだ設備で洗浄対象ワークやカゴの搬送を手動(人)で行うものを当社ではハンドバッチ式洗浄機と呼んで、ラインバッチ式洗浄機とは区分けしています。カゴ等の搬送(横行)に関しては、移動を補佐するコロがあるのみで、人が基本的に行います。工程については洗浄対象ワークの要求レベルに合わせて工程の構成をご提案することが可能です。
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②ハンドバッチ式洗浄機の導入事例
洗浄対象ワークが、形状が複雑であったり、残留油分の要求レベルが高い場合、1槽のスプレー洗浄では対応できず、スプレー洗浄工程と超音波洗浄工程を組み合わせた、多槽式の工程設計が必要となります。ただ、生産量の関係などであまりコストをかけられない場合、カゴ搬送を手動にした、ハンドバッチ式洗浄機をご提案しています。他には試作ラインで、いろいろな洗浄条件を試したい、といったニーズにもお応えすることが出来ます。
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③ハンドバッチ式洗浄機における乾燥方法
安価な方法としては、洗浄対象ワークを人がコンプレッサーエアーを使用してハンドガンにより水切りを行う方法になります。液切りを自動で行おうとする場合は、シャトル式のコンベアとブロワ水切りを組み合わせることで、カゴを往復運動させながら水切りをすることが出来ます。乾燥性の要求レベルによっては、温風乾燥工程を追加したり、真空乾燥工程を設けたりすることで、より高いご要求にも応えることが可能です。
ハンドバッチ式洗浄機の種類と用途
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①ハンドバッチ式洗浄機におけるメリット・デメリット
スプレー洗浄工程や浸漬洗浄工程など複数の工程を組み合わせ、カゴの移動を手動で行うため工程設計の自由度が高く、実験や試作など洗浄条件をいろいろ試したい場合に非常にメリットがあります。また、初期投資を抑えることができ、数が少ない洗浄対象ワークの処理に向いています。デメリットとしては、洗浄対象ワークが重量物であったり日に何回も洗浄処理をしなければならない場合、作業者への負担が大きく、また、人がつきっきりになる点が挙げられます。
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②ハンドバッチ式洗浄機における洗浄剤選定の注意点
洗浄液として、電解アルカリイオン水を使用する場合と、アルカリ洗剤などの洗浄剤を使用する場合があります。洗浄剤を使用する場合、工程によって洗浄剤選定には注意が必要です。浸漬洗浄用の洗浄剤をスプレー洗浄工程で使用すると泡立ちするケースが多いため、ハンドバッチ式洗浄機の中でスプレー洗浄工程と浸漬洗浄工程を組み合わせる場合、両方の工程で使用することが出来る洗浄剤を選定する必要があります。